★児童養護施設 聖ヨハネ学園★  視察



  市民意識調査においては、しつけと体罰の違いや、体罰は子どもの権利を侵害する行為であるという認識は薄いように感じます。  


  この施設は、さまざまな理由により、環境上、養護を要する児童をお預かりして、家庭にかわって養護し、健全な社会人として自立することを支援している施設です。1歳半から18歳の子どもを対象としており、子ども6人から8人に対して職員は1人で対応しています。そのため、職員は24時間体制で交代勤務をしています。施設の子どもたちの生活の特徴としましては、一般家庭と変わらない基本的な生活習慣を身につけることから始まります。入所の主な理由は、児童虐待が多く、そのほかにも長期入院、離婚等、理由はさまざまです。虐待が理由で入所する子どもが年々倍増し、内容も重篤化しております。職員体制には、虐待内容が心理的と性的、 身体的と精神疾患等、幾つかの因子が重なり合うため、専門知識を有するセラピスト等の人材が望まれています。 聖ヨハネ学園では、子どもたちを5年から10年預かることが多く、家庭へ戻せる割合は2割以下であるとのことでした。私は、児童養護施設は子どもたちの最後のとりでだと思います。子どもたちを乳児院や児童養護施設収容という事態が生じないように対策を講じることが重要であると考えます。


 

  児童虐待防止対策事業を見直し、NPOだけに頼ることなく、行政が主体性を持って実施をすることを強く願います。


★大阪教育学附属池田小校視察 ★    視察

 平成1368日、大阪教育大学附属池田小学校に刃物をもった男が侵入し、8名の児童が亡くなり、13名の児童と2名の教員が負傷するという惨劇が起きました。

 

 それから歳月がもたらした変化の中で、教職員や保護者で事件を語り伝え、安心で安全な学校づくりに努めるとともに、「祈りと誓いの集い」、「制服着用の再開」、「本校舎復帰」などに取り組み、平成223月には日本で初めてWHO(世界保健機関)が推進する「InternationalSafeSchoolISS)」に認証されました。この認証は、安全に関する教育や設備が整った学校に与えられる国際的認証です。

現在、附属池田小学校は「InternationalSafeSchoolISS)」として、学校安全の発信に努め、文部科学省の教育課程特例校として、週に1時間「安全科」の授業を行っています。また、毎月8日を「学校安全の日」とし、避難訓練や施設の安全点検を実施しています。保護者に登下校の状況をメールで知らせるための電波バッジシステムを運用や、監視カメラ、非常用ボタン、警報ブザー、オートロック等の防犯設備を設置しており、校舎や安全管理システムの見学者を全国から受け入れています。教職員は、年5回の不審者対応訓練をおこない、応急手当普及員の資格を有する教員が、学校内外で普通救命講習を行っています。児童や保護者の様々な相談に応じるメンタルサポートチームが置かれています。

 

 私は、この訪問で、改めて学校の安全について考えさせられました。子どもをめぐる犯罪や毎日マスコミ等で報道されています虐待など、被害者はいつも弱い立場の子どもたちです。安全対策のため、一定の設備は必要だと思いますが、それが全てではなく、一人一人が安全に関して共通認識して、取組むことの方がもっと重要だと思っています。