平成23年度 インターンシップ最終報告

インターンシップ生が社会問題についてどうアプローチをとっていくのかや、2ヵ月間に感じたことについて、最終報告をまとめてもらいました。

 

 

設定課題「児童虐待」

 

 私が児童虐待」という社会問題に取り組もうと思ったのは、教育に関する政策に力を入れておられる太田貴子議員のもとでインターンシップをすることになり、児童福祉センターや児童養護施設など子育てに関係のある施設を訪問し、改めて児童虐待の現状を知ったからです。高槻市のどの子どものための施設訪問でも、児童虐待の相談件数や児童虐待が理由で施設に入所する子どもの数が年々増えてきているとお聞きしました。虐待には身体的(暴力)・心理的(脅迫・無視)・ネグレクト(養育放棄・放任・放置)・性的・経済的という場合があり、身体的な怪我や傷、情緒・行動・性格形成などの広範囲にわたり、発達の段階で様々なダメージを子どもに与え、最悪では子どもを死に追いやる場合もあります。虐待を受けた子どもは、洗脳と同じように長期にわたって何度も一方的に暴力や暴言を浴びせられることにより、「虐待されるのは自分が悪いからだ」と自分に責任を被せ、自尊心が無くなるほか、虐待されていたことをなかなか打ち明けられず、施設に入って5,6年経ってようやく子どもから打ち明けてくれた、というケースも少なくないようです。また、幼児の人見知りは親子関係形成完了のサインであり、虐待を受けた子どもは、「人見知りをせず誰にでも懐く」や逆に「対人恐怖症」になってしまいます。

 

 私が「児童虐待」という社会問題について実際に起こそうと思っているアクションは

1.自分が住む市の児童福祉施設を確認し、実際に自分が親になり子育てに困った時に利用できるようにしておく。

2.児童福祉施設の存在を確認したうえで、もし自分の近くに子育てに困っている親が現れた時にその存在を知らせる。

3.長い時間泣き続けている声に気づいた時や、外に締め出されている子どもを見つけたりした時には迷わず児童虐待防止のための施設へ連絡を入れる。

の、3つです。

意外に思われがちですが、児童虐待に苦しんでいるのは子供だけでなく親も同じなのです。自分の子どもにどうやって愛情を注げばいいかわからない、育て方がわからない親が子育てにストレスを感じ、虐待してしまうということもあります。親が安心して子どもを育てられる環境があることを知るだけでも児童虐待防止につながります。

 

 様々な社会問題に共通するもの、それはその社会問題に対する正確な知識と周知の不足です。専門家ではない私たち一般人ができることは、どの社会問題に対しても正確に認知し、そのうえで自分ができることを考えることだと思います。

 

「2ヵ月間を通してのメッセージ」

 

 私がこの2ヶ月で一番成長できたと感じるのは、目上の方へのマナーや敬語です。

今までもなんとなく敬語は使えているつもりではいましたが、インターンシップに参加していなければ、関わることのできなかった太田貴子議員や後援会の方々、高槻市役所の役員の方々など、たくさんの方々とお話しする機会ができ、マナーや敬語など様々な面において、いかに自分が未熟であるかを実感しました。また、同じインターンシップ先で活動していた他のインターン生は年齢が私と1つしか変わらないのに、敬語やマナーがしっかりしていて学ぶところが多々ありました。インターンシップの活動が終わった今でも未熟な私ですが、インターンシップに参加する前に比べると、行動の面でも意識の面でも、変わることができたような気がします。

 また、他にもインターンシップに参加することで気がついたものがあります。特に今回私が取り組もうと思った社会問題である「児童虐待」については、漠然としていたイメージからはっきりとした知識に変わり、はっきりとした知識にすることができたからこそ、何が問題であるのかもはっきり理解することができました。そして自分なりですが、今後その問題にどのように取り組むべきか、施設訪問でのお話や質問に対する回答から、その問題を解決するための一歩を踏み出すことができました。

 

 インターンシップには参加したものの、マナーも敬語も作業の仕方もわからなかった私が自分で実感できるほどに成長できたのは、太田貴子議員のおかげであり、後援会の方々のおかげであり、今回のインターンシップの活動で関わることのできたたくさんの方々のおかげです。長いように思えて短かったこの2ヶ月間で出会えた人、学べたことに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今回の経験をこれからの学生生活や、人間関係に生かしていきたいです。

 最後になりましたが、インターンシップを受け入れてくださった太田貴子議員、後援会の方々、そして今回のインターンシップでお世話になった全ての方々、本当にありがとうございました。

 近畿大学 法学部 政策法学科 1回生 S.S.



 

設定課題「児童虐待について自分ができること」

 

 今回のインターンシップ活動で様々な施設の訪問をさせていただきました。最初は全然違う課題について考えようと思っていたのですが、施設を訪問するうちに自分の中で浮かんできたのがこの「児童虐待」というテーマについてでした。

特に聖ヨハネ学園には、虐待などの理由によって親と一緒に暮らすことが困難と考えられた子どもたちが、共同生活を行っていました。しかしそこには普通の家庭と何ら変わりない、学校に行く、食事をする、遊びに行く、テレビを観るというような生活がありました。

 そこで僕は、いい意味で安心しました。このような施設があるおかげで、心に傷を負った子供たちが普通の家庭と変わらない生活を送ることができ、少しずつ成長し、大人になっていくのかなと感じました。しかし、そのような施設に入ることができる子どもたちは全体の約一割ほどだそうです。虐待されていると思ってもなかなか家庭には、立ち入ることができないというのが現状だそうです。

 また最近では、昔はあったような近所の人とのかかわりがなくなっていて、どんな人が近所に住んでいるのかもわからないというような状況が起きています。そのため、もし虐待が行われているのかなと思っても、なかなか勇気を出して通報することはできないし、虐待を発見することは困難になっています。

そのような状況で児童虐待が少しでも減るように、自分ができることは何かと考えていたところ、聖ヨハネ学園の施設長からお聞きして、共感したことが「虐待が行われているという事実が、どこにでもあるという認識をもつ」ということです。

 虐待と聞いてもニュースの中だけで、実際に自分の周りでは行われていない、自分とは関係がないと考える人が多いと考えられますが、現実はそうではありません。まだまだ、私たちが知らないだけで多くの子供たちが虐待を受けているのです。行動を起こすことも大事ですが、それができないのなら、事実を深く受け止めることが大事だと考えます。

 このようなことから僕は、実際に何かをしてあげることはできませんが、虐待という事実を自分の身近にあるものだと認識することが大切だと感じました。そして多くの人がもっと児童虐待の事実を知り、虐待が減ることによって少しでも多くの子供たちが幸せに暮らせるようになることを祈っています。

 

「2ヵ月間を通してのメッセージ」

 

 太田議員、太田事務所の皆さん、短い間でしたがお世話になりました。今まで政治の世界について全く関わったことがなく知識もない自分でしたが、今回のインターンシップ活動を通じて、少しくらいは議員の普段の仕事について知ったり、政治について考えたりする機会を得ることができて、とても勉強になりました。特に議員という職業は、普段は豪華な食事をしたりしているのかな、などと勝手に思っていましたが、実際はそんなに私たちと変わりなく、また休みもなく、色々なところを訪問したり地域のイベントに参加したり、市民の相談を受ける等、非常に大変な職業だということがわかりました。

 今回のインターンシップ活動ではさまざまな施設を訪問させていただいて、とてもいい経験ができました。自分の関心がある教育のこと以外にも、社会福祉の見学や高齢者の方々とのふれあい、地域行事の参加、議会の傍聴など様々な分野について勉強できたことが非常によかったと思います。また、普段はあまり聞くことのできない、大人のビジネスマナーについても教えていただいて勉強になりました。例えば、名刺の渡し方、座る場所についてなど、今後社会に出てから役に立つことを学ぶことができたと思います。

そして何より自分も太田議員のような素晴らしい人になりたいと思いました。常に周りの人のことを考え、たくさんの人から信頼され、さらに優しさ、面白さ、時に厳しさを兼ね備えた太田議員のことを非常に尊敬しています。

 

 最後になりましたが、二ヶ月間本当にお世話になりました。あっという間の短い期間でしたが、自分のインターンシップ活動は、太田議員のおかげで時間以上に中身の濃い、充実したものになりました。そして活動も自分にとって楽しいものばかりで、太田議員の元で活動できて本当によかったと感じています。二ヶ月間で人として成長できたかどうかは分かりませんが、普段はあまり自分から積極的に関わることのない分野についても興味を持ち、考えるという目標は達成できたかな、と思います。この経験を生かし、太田議員がおっしゃっていた、若い人材を育成するという期待に応え、これからの未来を担っていくことができるように、今後さらに一層努力していきます。また高槻を訪れた際には、顔を出させていただきます。

本当にありがとうございました。    

大阪大学 人間科学部 人間科学科 2回生 M.M.

 

 

設定課題「児童虐待」

 

 私は以前から、いじめや虐待、非行などの児童に関する問題に強い関心がありました。なぜなら、これらの問題は、子どもたちの健やかな成長の妨げとなるからです。

いじめや虐待を受けたり、非行に走ったりといった不幸な体験をした子どもは、自己否定感が強くなったり、発達障害を抱えたり、対人恐怖症になったりと、問題を抱えた大人になってしまう恐れがあります。児童の権利条約や児童福祉法が規定する通り、全ての子どもには大人と同じように権利があり、児童は、その幸福と成長のために大切に育てられなければなりません。それなのに、現在の社会においては、いじめを受けた子どもが自殺した、虐待を受けた子どもがなくなったというような、児童福祉の理念に反するニュースが多く流れています。私たちは、「児童を権利主体として認め、その健やかな成長を保障する」という児童福祉の理念を守り、子どもたちが大切に育てられ、健やかに成長できるような社会を作っていかなければなりません。だからこそ、いじめや虐待を受けたり、非行に走ったりする不幸な子どもがたくさんいるこの社会の状況を変えたいと思い、「児童福祉」という課題に取り組むことを決意しました。

 いじめ、虐待、非行などの児童福祉に関する様々な課題を解決するために、現在の私が出来ることは、実際に児童の支援に関わることで、これらの課題についてより深く理解し、その現状を多くの人に伝えていくことだと考えます。「児童福祉」という課題を設定してから、私は、児童福祉の理念や目的、現状や課題について様々なことを調べ、教育センターや児童養護施設といった児童福祉に関わる施設に見学に行って、職員の方から様々なお話を伺いました。そこから、児童の自立的な成長を図ることが児童福祉の目的であること、児童福祉施設やそこで働く職員の数が足りないために、適切な支援を行うことが出来ないことなど、これまで知らなかった様々なことを知りました。それでも、外側から調べたり見聞きしたりしているだけでは、これらの問題について完全に理解することは出来ません。だからこそ、自分が実際に児童の支援に関わることで、それまでは見えなかった問題の新たな一面について理解するとともに、そのような内側からしか分からない問題の側面についても、多くの人に伝えていけるのではないかと思います。

 具体的には、いじめや虐待を受けてきた社会不適応少年や、非行少年の支援をするBBSとうボランティア団体に加盟し、そのような子どもたちの支援を行っていきたいと考えています。そうして、児童福祉の現状などについてより理解を深めることが出来たら、BBSに所属する人たちと一緒に新聞などを作って、児童福祉の現状などについて広報していきたいと考えています。いずれにしても、子どもたちの支援活動に参加することを最終的なアクションプランとするのではなく、そこから得られた知見をさらに生かして、問題解決のために新たな行動を起こしていきたいと思います。

 

「2ヵ月間を通してのメッセージ」

 

2ヶ月間のインターンシップを通して、自分が成長したと思うことは、インターンの前よりも視野が広がったということです。インターン前の私は、前述した児童虐待や非行問題など、自分が関心のある話題のニュースは熱心に聞くのですが、そうでないニュースは、まるで聞こうとしていませんでした。例えば、連日報道されている東日本大震災に関するニュースも、最初のうちこそ熱心に見ていたものの、数日経つと、毎日同じような内容の報道しかなされないことに嫌気がさし、この話題に関するニュースを避けるようになりました。しかし、インターンで消防署の見学を行った際に、高槻消防署からも被災地に隊員が派遣されているというお話を聞いて、こんなに身近なところでも復興に向けた取り組みが行われているということを知り、今までこの問題を他人事だと考えていた自分が恥ずかしくなりました。他にも、施設見学や委員会傍聴などのインターン活動を通して、介護保険、子育て支援、自殺問題など、今まで自分が関心を持たなかった様々な問題についても知りました。社会には、私が知らないだけで本当に様々な問題があり、私は今まで、その多くから目を背けていたのだということを痛感しました。

 私たちの社会には多くの問題があり、それについて真剣に考えるのは、精神的な負担がとても大きいと思います。しかし、どんなに辛くても、そこから目を背けてしまったら、その問題が解決されることは決してありません。ある問題を解決しようと思うのなら、まずは私たち1人1人がその問題について知り、その上で、その問題をどうしていくかについて考えていくことが必要になります。だからこそ、この議員インターンを通して、社会の様々な分野と、それらの分野における様々な問題を知ることが出来たのは、とても大きな意義があったと思います。今後は、このインターンで得られた知見を基に、「児童福祉」以外の問題についても関心を持ち、毎日新聞を読んで情報を集め、色々な人と議論をしていきたいと思います。

 今回のインターンでは、本当に色々な人との出会いがありました。太田議員や事務員さんはもちろんのこと、高槻祭りで一緒に屋台を出したり、高齢者の集いの準備を一緒にしてくださったりした、芥川地区福祉委員会の方々、お忙しい中、私たちに施設を案内してくださり、貴重なお話をたくさん聞かせて頂いた、施設の職員の方々など、本当に多くの方々にお世話になりました。今後は、私が議員インターンで学んだこと、感じたことを基に、私が社会に出て、人の役に立つ人間になれるように精進していくことで、お世話になった方々への恩返しとしていきたいと思います。

 この2か月間、私たちにたくさんの貴重な体験をさせて頂いて、本当にありがとうございました。このインターンを経験して、みなさんと出会えて本当によかったです。

関西大学 法学部 法学政治学科 2回生 A.M.

 

 

設定課題「児童に対する虐待」

 

 私は児童に対する虐待の問題について取り組んでいますが、取り組む理由は元々、児童虐待問題自体は以前から興味のある問題でありましたが、近年児童虐待についてニュースや新聞で報道されており、また『カンガルーの森』という児童福祉施設を見学させてもらったときにより関心を持つようになったのが理由です。虐待は身体的暴力、心理的暴力、ネグレクト、性的暴力の四つの定義がありますが、大阪府ではそれに親の道楽のために子どものお年玉やお小遣いを取り上げるという経済的暴力も虐待の定義に入れているようです。しかし、心理的暴力と経済的暴力についてはしつけとの区別が難しいとされており、子どもの無駄遣いを防ぐためにお年玉やお小遣いを管理していても、経済的暴力と誤解される場合もあります。身体的暴力も同様であり、しつけのために親が子どもを軽く叩いたりしても叩かれた子どもや第三者からみれば虐待と捉えられる場合もあります。

そこで、虐待としつけの区別を明確にするために私が考える行動は虐待の定義そのもの、たとえば身体的暴力とはどのようなものであるのかといったものについて考え直し、また、虐待の定義だけでなくしつけも定義づけることです。また親が子どもを叱ったりする理由を考えることも重要であります。このようなことは「子どもの権利条例」を制定するか否かを考える上で必要なことであり、明確な定義づけをせずに「子どもの権利条例」を制定すると学校の教諭と親である保護者が悪いことをした子どもを叱ることができなくなり、また子どもが権利だと主張して子どものしつけができなくなり、結局いじめもひどくなることがあります。実際、広島市でもそのようなことが起こるという理由で、教職員や保護者が制定を反対しています。また既に制定されている川崎市では悪いことをした子どもを叱れないという事態も出ているようです。

ではどのような手法で虐待問題について取り組んでいくのかということについては、実際に児童福祉施設に行って虐待の問題についてその職員に聞いてみたり、図書館などへ行って児童虐待関連やしつけについての書物を読んだりして虐待とはどのようなものか、しつけとはどのようなものかを考えるのであります。

以上のことが、私の考える「社会問題に取り組むためにできること」の行動計画です。

 

「2ヵ月間を通してのメッセージ」

 

 私は二ヶ月のインターンシップを通じて市職員の仕事がどのようなものかを知るようになり、また少しではありますが、芥川小学校での子ども祭りや朝の挨拶運動のとき進んでコミュニケーションをとることができるようになりました。しかし人と積極的にコミュニケーションをとるという目標までにはまだ遠いと思っていますし、また積極的な自分になるようにするということもまだ不十分であると思っております。ですから、もう少し経験を積んで徐々に積極的にコミュニケーションをとることができるようになっていきたいと思っています。

この二ヶ月のインターンシップを通じてコミュニケーションの重要さを改めて知り、また、916日の高槻市教育センター内のエスペランサの見学において、その職員の一人がコミュニケーションは話すことではなく人の話を聞くことであるとおっしゃったことからコミュニケーションの方法を学んだ心地がしました。施設見学では、問題や課題が多くあることに気が付き、普段見ることがないことを見学させていただいたのであらゆるものが斬新であると感じました。芥川小学校の子ども祭りにおいては子どもを注意することの難しさを感じました。自分の目標に辿りつくまではまだ遠いですが目標へ少し進んだ気がします。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

 

                                同志社大学 法学部 法律学科 2回生 N.Y.



 

頑張ってくれたインターンシップ生の皆さんに感謝の意を表しますとともに、今後の活躍をお祈りいたします!