今城塚古代歴史館を見学して

 今城塚古墳は日本を代表する歴史遺産であり、10年間に渡る発掘調査と、7年間に及ぶ整備工事を終え、現在の古墳公園になりました。

 歴史館内では、歴史をより身近に感じられるような展示の仕方や、人々の史跡への興味を引く工夫がされています。映像資料、ジオラマ模型、キャラクターが用いられており、目に見てわかりやすいと感じました。キャラクターは、今城塚古墳に眠る継体大王の家来などがあり、関西弁を話し、優しい絵で、親しみやすいと思いました。歴史館には、古代の歴史に詳しい人のみが訪れるわけではなく、子どもから高齢者の方々が訪れます。そのような方々には、まず今城塚古墳や歴史に興味を持ってもらう必要があり、視覚に訴える展示は効果的であると思いました。また、歴史を身近に体感してもらうためになるべくガラスで仕切らずに展示物を置き、見物者との距離を縮めることや、実際の発掘で出てきた盛土を館内の壁に貼ったり、埴輪が後ろ側からも見れるように通路を設けていました。多くの博物館では、展示場はガラスで仕切られ、展示物と来館者との距離が遠いと感じますが、今城塚古代歴史館では歴史的な物を近くで見ることができ、とても貴重な場であるなと感じました。

歴史館の外には古墳公園があり、人々が歴史を体感し、気軽に集まることできるような工夫がなされています。埴輪が発掘調査で確認された位置で配置され、古墳を背景に見ながらも、古代の状態が再現されているようでした。さらに、埴輪のレプリカは子どもなどが実際に乗って遊ぶことができ、歴史体験と遊びを両方楽しめる発想はおもしろいなと感じました。

  今回の見学で感じたことは、今城塚古代歴史館、古墳公園では、様々な人々が今城塚古墳の歴史について興味を持ち、身近に体験できるような場にしたいという考えが展示の随所に表されているということです。明るく開放的な館内や、今城塚古墳を背景にし、かわいらしい埴輪祭祀場がある古墳公園は、気軽に散策できますし、同時に歴史体験もできますので、また来たいと思うような場であると思いました。(立命館大学3回生 N.A)

 

高槻市営バス 芝生営業所見学

 高槻市営バス芝生営業所を見学いたしました。公営バス事業についての概要の講義を受け、その後、営業所の運行管理の見学、整備工場の見学、また実際にバスに乗車し、バス内のシステムや洗車の様子などを拝見させて頂きました。バスの利用者の減少に伴い、市営バスが全国的に廃止される中、高槻市営バスは市民の交通手段として、重要な役割を担い、バス運営や利用者のための様々な工夫と、安全管理をされているという印象を受けました。

高槻市営バスは昭和29年から運行開始され、歴史があり、市民と長年の繋がりがあることが分かりました。市営バスは公営企業であり、自治体が会社を運営する形をとりますが、税金で賄われる一般的行政活動とは違い、事業活動は特定の個人がサービスを受ける受益者負担の法則、独立採算制をとっており、収入は主に乗車料金から得られているということでした。市営ということなので、主に税金で運営されていると思っていたため意外な印象を受けました。その中で、地域住民の福祉の向上のために、不採算路線の交通サービスの提供、バリアフリーバスの採用、市との協力で高齢者等の乗車料金の無料などの取組みをされており、公益的であり、民間バスとの違いはこの点にあるのだと感じました。

一方で、バスの利用者の減少の中、利用者増加のためのイメージ戦略やサービス向上の取組みもされていました。例えば、高槻市営バスのイメージ戦略として、「たかつき ばすお」というマスコットキャラクターを採用しており、名前がシンプルで、親しみやすい容姿のキャラクターだなと思いました。またバス利用者のサービスの向上のため、例えば、お年寄りや身体障害者の方に配慮した低床ノンステップバスの採用、支払い時の円滑化に繋がるICカードシステムの導入、バス停に駐輪場を設けてバスに乗り換えを可能にする「サイクルアンドバスライド」、駅でのバス発車時刻モニターの設置など様々な工夫がなされており、バス利用者にとって便利で優しい環境を整えることに努められていると感じました。

 営業所内では、運転手の方のスケジュール、出勤、退勤時の受付の様子を見学いたしました。運転手の方のスケジュールは分刻みで厳密であり、毎日異なるスケジュールをこなすということで、人々に正確な時間の交通手段を提供することと、運転手の方のマンネリ化を防ぐための工夫をされていました。運転手の方の出勤時の受付では、体調や飲酒のチェックを行い、またその日の目標を述べることをされていました。人命を預かるという意識を強く持ち、事故防止に努めているのだと感じました。また女性の運転手の方と話す機会があり、仕事における精神的な強さの必要性や、運転手の仕事の楽しさなどを教えて頂き、かっこいいなと感じるとともに、運転手という職業に興味を持ちました。

  今回の見学で感じたことは、高槻市営バスでは、利用者減少の傾向がある中で、サービスの向上、安全管理の徹底、全ての方にとって利用しやすい交通手段を提供することに努めているということです。利益を求める体制では、全ての人にとって利用しやすい交通手段を提供することは難しいと思いますし、民間バスでできない役割を、市営バスは担っているのだと感じました。(立命館大学3回生 N.A

財政レクを受けて

先日、8月5日に総合戦略部財政課の職員の方々からお話を伺う機会を頂けました。アットホームな雰囲気で接してくださり、質問にも優しく答えて下さり、たいへん有意義な時間でした。

財政とは、必要な資金をどうやって集めてくるか、集められた資金をどのように使っていくか、これを考え、段取りしていくことです。そしてその財政を効率的に運用していくために策定する金銭の収入・支出の運用計画が予算となります。あらゆる課の要望を踏まえた上での自身の判断により、今後の高槻市の方針が決まる。そういった責任を背負って職員の方々は日々仕事に取り組んでおられるようでした。公務員の数は仕事量に対して多いという話はよく聞いたことがあったのですが、財政課に関しては反対に人数が少ないのではという印象を受けました。部や課ごとの人数調整が適切かどうか気になりました。

また約35万人が住むこの高槻市でも、全収入約1200億円のうちたった約4割の約490億円が市の税収入だということで、残りはほぼ補助金での収入だそうです。現在、国や府からの介入は特にないそうですが、対等の立場に立つには地方自身での収入を確保する必要があるように感じられました。

また、今回、お話を伺って、公務員という職業に対しての印象が変わりました。一定期間が経過すると異動となり、違った部署に移るということで仕事のマンネリ化を防げるそうです。しかし同時にあらゆる分野に臨機応変に対応できる知識が求められるように感じられました。市民の方と深く接し、より良い街づくりに貢献する公務員の方々はたいへん格好良いと思いました。このような機会を頂きありがとうございました。

 

(同志社大学1 M.W

 

新名神高速道路建設の視察に同行

先日、8月10日に工事中の新名神高速道路を見学させて頂きました。

 新名神高速道路は、現在の名神高速道路で頻繁に生じる交通量の増加による渋滞・交通混雑を緩和させる目的、また災害時の重要なアクセスとして建設事業が進められています。高槻市域においては、鉄道や幹線道路を横過する橋梁、山岳地を貫くトンネルと大半が構造物を占める区間となっています。高槻市の工事は、神戸市の建設現場での橋桁の落下事故や、箕面市での橋桁の土台の崩落事故をうけて一時工事を中断していましたが、再度緊急安全点検が実施され安全確認ができたということで、工事が再開されました。完成予定は平成29年春頃となっておりましたが大幅な遅延となり、現在の状況としては工事の真っ最中でした。

今回の見学を終えて感じたことは、日本の技術の素晴らしさです。以前まで、自分より大きな建設物を見たとき人間が作ったものだと信じきれない面がありましたが、今回工事中の現場を見せて頂いたことで、改めて人間の手による創造物なのだと感じさせられました。また、いくつかの場所を巡らせて頂きましたが、各場所に安全を意識させるポスターや張り紙、(例えば工事作業に対する注意、心持ちを示す短歌など)が設置してあり、いかにその建設作業が大変で命に関わる仕事であるかを感じさせられ、この猛暑の中熱心にかつ丁寧に工事を行う作業員の方々を尊敬致しました。

地上から約44mの高さからの景色は絶景で思わず足がすくみましたが、貴重な経験となりました。新名神高速道路の完成と工事の安全を心より祈っております。

 

(同志社大学1回生 M.W